受賞論文
2025年度の統計データ分析コンペティションに多数のご応募をいただき、参加された皆様に感謝申し上げます。審査の結果、受賞論文は以下のように決定しました。各賞を受賞された皆様、おめでとうございます。
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「統計データ分析コンペティション2025」受賞者及び受賞論文(PDF:832KB)
※ 受賞論文(全文)は後日掲載予定です。 - 総務省報道資料(令和7年10月20日)受賞者の決定(PDF:460KB)
2025 受賞論文 高校生の部
総務大臣賞
医師数偏在の要因と医師数偏在の診療科偏在への影響
加藤 篤(名古屋大学教育学部附属高等学校)
医師数偏在と診療科偏在の関係性について相関分析を行い、主な診療科の全診療科に対する医師数比率をKruskal–Wallis検定及びDunn検定を用いて分析する事で医師数偏在が診療科偏在にもたらす影響を明らかにしている。
優秀賞
都市類型別にみる所得格差のメカニズム
-主成分分析とクラスター分析による都市分析-
杉野 瑠美(雲雀丘学園高等学校)
日本全体では高齢化の様相が所得に二面的な影響を与える一方、都市の類型別に分析すると所得の決定構造が質的に異なることを見出している。特に「都市規模」を示す主成分の軸は、全体分析では所得に負の影響を与えるが「単身世帯型大都市」内では正に転じるなど、所得決定要因が都市類型に依存する構造となっていることを実証している。
統計数理賞
地方移住の決定要因に関するパネルデータ分析
ーラグ効果の検証を通じてー
水本 優希(鳥取県立鳥取湖陵高等学校)、山口 晃(角川ドワンゴ学園 S高等学校)
被説明変数として都道府県ごとの転入者数を設定し、説明変数として2011年から12年分の一般病院数、老人福祉施設数、完全失業率等を用いている。説明変数が短期的効果では負に有意であるが中期的効果では正に有意であり、影響が反転することを明らかにしている。また男女別転入者数を被説明変数に設定した結果、性差による違いがあることを示している。
統計活用奨励賞
介護職の離職率に影響する地域要因の分析と介護人材確保策の推進
勝田 花梨(江戸川学園取手高等学校)
高齢者割合は介護職の離職率に対して有意に負の影響、従業者密度は有意に正の影響があることを示すことで、高齢化が介護職の定着を促進する一方で業務負担の集中が離職を助長する可能性があることを明らかにしている。
審査員奨励賞
※執筆者(代表者)の50音順
小中高生の自殺要因についての統計的検討
ー地域差に着目したパネルデータ分析ー
佐々木 雄規(開成高等学校)
自己肯定感を高める要因となる共通特徴の探求
椎名 惇気(慶應義塾湘南藤沢高等部)
消滅可能性自治体を救うには
関根 悠大(早稲田大学系属早稲田実業学校高等部)
5つの視点に基づく不登校の原因究明と対策
竹内 稜(早稲田大学系属早稲田実業学校高等部)
都市性と医師密度・年齢調整死亡率の関連性の解析
成清 嵩憲、安部 航平、岩本 瀬璃、矢方 大獅(大分工業高等専門学校)
合計特殊出生率の変動要因分析
松本 春飛(京華高等学校)
学校表彰
- 慶應義塾湘南藤沢高等部
- 早稲田大学系属早稲田実業学校高等部
- 論文審査会による学術論文的審査を経た編集後の論文(審査員奨励賞は除く)が、日本統計協会の月刊誌『統計』に掲載されます。(日本統計協会『統計』のページへ)
2025 受賞論文 大学生・一般の部
総務大臣賞
何が女性議員比率を左右するのか
―東京特別区議会を対象にしたパネルデータ分析―
永渕 真緒(津田塾大学総合政策学部総合政策学科)
女性の投票率が男性よりも高い地域では女性議員が増加する傾向にあり、投票率の性差が有意な正の効果を示すこと、また、Hausman 検定により女性議員比率を説明する変数と個別効果との間に相関関係があることを明らかにしている。
優秀賞
教員の精神疾患休職の要因と教育政策への示唆
大野 恒平(新潟大学経済科学部総合経済学科)
時系列分析では不登校と休職にグレンジャー因果性、インパルス応答関数から休職への影響を確認することで、児童や家庭側の意識や取り組みが向上すれば教員の負担が減り、休職も減る可能性を示唆する結果を得ている。
統計数理賞
クラスタリングを用いた男子中学生の持久力低下の要因特定
新井 陽登、陸 家傑、宮下 真翔(上智大学大学院理工学研究科)
岡田 蒼未、柴田 悠生(上智大学理工学部情報理工学科)
生徒の肥満率、運動部の加入率、朝食を毎日食べるという生活習慣が持久力に有意な影響を与える主要因であること、クラスタリングにより都道府県が「標準型」「生活習慣課題型」「食文化・環境要因型」に分類できることを明らかにしている。
統計活用奨励賞
日本におけるMRI設置の現状と過剰導入の実証的検証
川村 結愛、磯﨑 結希、鍛治 和香、濱田 侑弥、宮脇 渉多
(大阪経済大学経済学部経済学科)
多くの市町村ではMRIの設置台数が概ね最適であるが、一部地域では大幅な過剰設置が確認されており、過剰導入は都市部に限らず地方都市にも見られることから地域ごとに差異が存在することを明らかにしている。
審査員奨励賞
※執筆者(代表者)の50音順
CO2排出特性による市区町村の類型化と地域特性の関係に関する研究
―2017年度と2022年度のCO2排出量データを用いた分析-
小松原 早貴(独立行政法人国際観光振興機構)
女性の社会進出を支援する環境要因分析と改善案の提言
小村 涼太郎、杉山 航太、伊藤 諒、後藤 隼人(上智大学大学院理工学研究科)
飯泉 匠朗、竹浪 悠人(上智大学理工学部情報理工学科)
デジタル教科書は学力にプラスかマイナスか?
:機械学習×SHAP解析による検証
立花 れい菜(上智大学大学院応用データサイエンス学位プログラム)
日本の人口変動の要因分析
(パネルデータ分析とランダムフォレストを用いて)
遠山 修生、降籏 直二郎、HOANG THI MY LINH(信州大学経法学部応用経済学科)
人口動態の地域差に着目した基礎的分析
山形 陽生(武蔵精密工業株式会社)
統計専門誌への論文掲載
2025年度 | 高校生の部 | 大学生・一般の部 |
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総務大臣賞 | 2026年1月号 | 2026年3月号 |
優秀賞 | 2026年2月号 | 2026年4月号 |
統計数理賞 | 2026年7月号 | 2026年8月号 |
統計活用奨励賞 | 2026年5月号 | 2026年6月号 |